ピンクゴールド
メゾン ブシュロンを象徴する「グログラン」モチーフには、織物業を営んでいたフレデリック・ブシュロンの家族へのオマージュが込められています。
彼はそこから繊細なクリエイションのインスピレーションを受けました。
ゴールドのリボンのように手首をそっと包み込むバングルです。
「女神」の異名をとったカスティリオーネ伯爵夫人は、当代随一の美女として知られていました。このミステリアスな美女は、ヴァンドーム広場26番地にあるノセ邸の中2階に15年間暮らし、この建物をフレデリック・ブシュロンと共有していました。彼女はことのほかブシュロンのクリエイションを愛し、瞬く間にメゾンの最重要顧客の一人になったのです。
ナポレオンIII世を始め、誰もの心をとりこにした伯爵夫人は、彼女に夢中の男性たちから贈られたジュエリーに身を包んでいました。この世のものとは思えない美貌が太陽の光で損なわれることがないように、夜しか外出せず、ジュエリーで美しく飾ったその姿は、ヴァンドーム広場の薄明りの中で輝いていました。
一人きりになるとまばゆく煌めく宝石の、魔法のような輝きにいつまでもうっとりしながら、自身のジュエリーをいつまでも眺めていたと言われています。